ギターと笑いのお元気説法で有名な向陽寺の紀生和尚から、向陽寺の境内に鎮座する「百寿合掌観世音」の不思議なエピソードを聞きました。



松島町の西目という地域に住む井サツキさんより、「お母さんも主人も長生きするのは、神仏のおかげだから、観音様を奉納したい」とのお願いがありました。
100才まで長生きできたことに感謝するということで「百寿合掌観世音」と名付け、福岡篠栗の仏師 国広晴峯さんに観音様の制作を依頼。サツキさんのお母さんの西山クリさんの100才の誕生日に観音様を奉納することになりました。

ところが、クリさんが100才になる1ヶ月前、クリさんは病に倒れ、救急車で病院に運ばれてしまいます。そして意識不明となり3日が経ちました。



「観音様を拝まないで死なせるのは残念。せめて祈祷したタオルを意識不明のおばあちゃんに掛けてあげたい」
と、サツキさんは先代の和尚(紀生和尚のお父さん)にタオルの祈祷をお願いしました。
先代の和尚は「もう100才だから、無理なんじゃないか？」と思いながらも、タオルを祈祷されたそうです。

そして、病院でクリさんを看病していたおばちゃんが、祈祷したタオルをクリさんに掛けてやると・・・、なんとクリさんの目がパチッと開いたのです！
そして、一週間で退院。帰りの車の中で、クリさんは「世の中は胸で結んで胸で解け」と語ったといいます。

クリさんが目を開けたという一報を仏師の国広さんに連絡したところ、
「不思議なことに、観音様の刻み場に鳩がやってきて今日で3日になります。妻がお米や麦を食べさせています。」
と国広さんはいいます。
クリさんが意識不明の間、観音様の前にやってきた鳩・・・これは「クリさんの命を運んだ鳩ではないか？」と紀生和尚は感じたそうです。


↑観音様の足下に止まっている「命の鳩」

「百寿合掌観世音」の開眼供養の日、紀生和尚が親族みんなにその話をしたところ、
「ばあちゃんの命を運んでくれた鳩だから、観音様の位置をずらして鳩をとまらせたい」
と、仏師の国広さんにその場で依頼。「命の鳩」と名付け、観音様の足下に止めました。

その後、クリさんの話を知った多くの人が
「100才まで長生きできますように」
と、この「命の鳩」を撫でるようになったそうです。

不思議なエピソードがあるこの「百寿合掌観世音」
100才まで元気に長生きしたい方は、ぜひ「命の鳩」を撫でてみるのはいかがでしょうか？

[お問い合わせ]
曹洞宗大悲山 向陽寺
住職 渡辺 紀生
〒861-6102 熊本県上天草市松島町合津2856
TEL：0969-56-0200
http://www.dandl.co.jp/koyoji/


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